アブストラクト:「コロイダルマター」という言葉はこの基礎セミナーのために考えた新しい用語である。この言葉には、すでに学問的に確立していると考えられている「界面コロイド科学」の内容を熱統計力学や非線形・非平衡物理学の立場から捉え直し、さらに「コロイド」という物質概念を従来より広げて解釈する意図が込められている。このようなアプローチを試みる背景の一つとして、近年のソフトマター科学の飛躍的な発展がある。ソフトマターの研究では多様な物質群を対象としつつも、それらに共通する普遍的な性質を探求することが肝要である。基礎セミナーでは、コロイダルマターが示す現象の本質を理解し、それらを記述する一般的な枠組みを基礎から解説することを目的とする。このような方法論を習得することにより、新しい現象の予測や目的に沿った物質設計が可能となり、コロイダルマターの応用への道が開ける。
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