物性物理の分野では古くから固体の電子状態に興味が持たれ、平面波(PW)基底を用いた周期境界条件(PBC)計算が行われてきた。現在、このPW-PBC計算は、擬ポテンシャルと密度汎関数理論(DFT)に基づいた方法が広く用いられており、比較的計算コストが小さいという特長を持つ。しかし、内殻電子の取り扱いやHartree-Fock(HF)交換項の計算が困難であるという欠点も持つ。一方、分子科学の分野で発展してきたガウス(GTO)基底による分子軌道(MO)法やDFTに対してもPBC計算が可能で、CRYSTALシリーズの改良とともに大いに発展してきた。最近、GAUSSIAN03にもGTO-PBC計算が組み込まれ、潜在的なユーザーは数多くいると思われる。しかし、従来の分子計算と理論的な枠組みが多少異なるため、二の足を踏むユーザーが少なくないのも事実であろう。本講演では、GTO-PBC計算の理論的背景を概説した後、おもにGAUSSIAN03を用いた応用例を紹介する。また、講演者らが開発しているエネルギー密度解析(EDA)とGTO-PBC計算の組合せに関しても紹介する。
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