水中で長く、からみ合った紐状ミセルの中に切断されることの無い高分子鎖を導入した「ハイブリッド紐状ミセル」の構築も可能で、そのダイナミックスも研究できる。種々の高分子と臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)の組み合わせを調べ、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウムランダム共重合体が長く安定な「ハイブリッド紐状ミセル」を形成することを見出した。このハイブリッド紐状ミセルは,通常のCTABと低分子塩から構成されたひも状ミセルと同様、からみ合い点での「幽霊通り抜け」機構に従ってからみ合いを解消するが、緩和時間は導入された高分子の分子量に比例することから、ミセル同士の幽霊通り抜けが内部に取り込まれた高分子によって阻害されている。また、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウムランダム共重合体と、同じ重合度とスルホン化度を有する重水素化高分子の混合物をCTABと相互作用させ、重水中でハイブリッドひも状ミセル形成させた試料の小角中性子散乱測定を重水素化高分子の分率を変えながら行い、ミセル内での高分子の形態を検討した。取り込まれた高分子は、ミセルである半径2.4nmの円筒形に閉じ込められ、経路長の3分の一程度の長さにまで引き伸ばされている。
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