ブラウン管(CRT)が生まれて100年あまり、20世紀はCRTの時代であったと言っても過言ではない。しかしながら、21世紀を迎え、液晶(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの新しいディスプレイが登場し、薄型でフラットな画面が主流になり始めている。最近では、画面サイズの大型化が新しいトレンドになっている。テレビ用途へ需要が拡大し、65インチのPDPテレビが商品化されており、さらに大画面サイズのものも技術発表されている。以前は、画質に問題があり、LCD,PDPとも、我々が見慣れてきているブラウン管(CRT)の画質に比べると、動画性能、視野角、ピーク輝度、色再現性など、様々な課題があると言われたが、最近では改善も進み、テレビ用途として実用化に耐えるパネル技術開発や駆動回路技術開発が急速に進んだことが、普及にいっそうの拍車をかけている。いまや、PDPと液晶の2強時代に突入した感がある。一方、最近の地球温暖化や環境保護への取り組みとして、より一層のエネルギー効率が求められ、廃棄・リサイクルのしやすい材料が求められている。特に、省エネルギーや環境保護の観点から、現状のFPD技術は、将来大きな環境負荷となって影響してくることが考えられる。もちろんその方面への方策は着々と手を打たれはじめているが、まだまだ十分ではない状況である。根本的にこれらの環境問題を解決できる新世代の有望なFPD技術が、フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)技術である。FEDは、CRTと同じ原理の自発光型ディスプレイ技術で、基本的にCRTと同じカソードルミネセンスにより発光するディスプレイである。画質はCRTと同等になるといわれ、また、その技術の質は、最もFPDに良いとされている。また、FEDは、他のどのFPD方式よりも画期的に低い消費電力を実現できる可能性をもっている。近年、FEDの実用化報道が相次いでいる。キャノンのSEDの発表や双葉電子のFED量産化発表である。キャノンのSEDという名前からは、FEDを連想できないが、実は、れっきとしたFEDである。FEDディスプレイが日の目を見るのもまもなくであろう。本講演では、FEDの最新トレンドを交え、その可能性、課題などについて述べる。
閉じる