金属表面上での光化学反応の多くは、金属の光応答(バンド内、バンド間遷移)と励起電子(hot electron)のトンネリングが引き金となる間接励起(substrate-mediated excitation)であることはよく知られている。間接励起では理論的解析手法として、two-temperatureモデルなどがしばしば用いられるが、いずれも非常に単純化された現象論的パラメーターを含む。従って微視的理解、特にhotelectronのトンネリングと吸着分子内での電子−振動のエネルギー移動についての、第一原理計算に基づく理論モデルの構築が必要である。本研究では特に(1) substrateでのelectron-holeの生成、(2) 生成キャリアの表面領域への輸送、(3) 吸着分子へのキャリアの共鳴トンネリング、のプロセスに着目し、これを開放系のトンネリング問題として捉えてTime-independentな非平衡グリーン関数法により定式化し、可能な限り第一原理計算可能な形での理論構築を試みた。現状ではまだ幾つかの本質的な単純化や問題点はあるが、それらを含め幾つかのテスト計算とその解析、また今後の拡張の方向性について報告する。
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