地下生命圏には全地球の微生物バイオマスの90%以上が存在すると推測されているが、地下生命圏の住民の多くは全く未培養の系統に属する。つまり、地下生命圏の微生物生態系を解明する、あるいはその微生物資源を利用するには、培養法検討の継続と共に、培養に頼らない方法論の活用が求められている。環境ゲノム(メタゲノム)解析は、培養を経ずに環境DNAの解析から微生物群集あるいは特定の微生物の生理生態を解明し、また遺伝子資源を手に入れる研究手法である。メタゲノム解析の歴史において、地下生命圏は主要な研究対象の一つとして解析が進められてきた。我々も菱刈金山地下微生物群集を対象にメタゲノム解析を進め、全くの未培養系統に属する好熱性アーキアの全ゲノム解析を目指した解析を進めている。本講演では、自身の研究を交え、環境ゲノム研究の歴史と地下生命圏研究の関わりを紹介すると共に、これからの環境ゲノム研究の方向性について議論したい。

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